284500カウント記念小説


284500カウントをGETしてくださったのは、ナツヲさん。


お題は、

『瞬や氷河のことを知らない第三者から見た二人のラブッぷり』

「チューリップ畑の二人はいつもラブいので、まったく知らない人にも無意識にラブっぷりを振りまいていたらいいな、と思ってリクエスト致しました」
とのことでした。
ナツヲさん、リクエストどうもありがとうございます!


さてさて。
このお題をいただいた時に、私がまず考えたのは(というより、悩んだのは)、『氷河と瞬ちゃんのことを知らない第三者』を誰にするかということでした。
青銅聖闘士を始め、白銀聖闘士、黄金聖闘士、北欧の方々、海の方々、冥界の方々――は、じかに戦ったことがなくても、白鳥座の聖闘士とアンドロメダ座の聖闘士のことを“知らない”ということはないでしょう。
となると、オリキャラを作るしかないかと考えた私は、じゃあどんなオリキャラを? と悩むことになったわけです。

私が最初に考えたオリキャラは、実は『宇宙人』でした。
これは、藤子不二雄先生が描かれた『サンプルAとB』という作品を思い出したせい。
『サンプルAとB』は、宇宙人がロミオとジュリエットを非常に冷静かつ客観的な目で観察するという内容のSF作品。
気楽に殺ろうよ』という文庫に収録されているようなので、ご興味&お暇のある方は読んでみてください。落ちがものすごく秀逸&意味深です。
同じ設定で、あの展開とあの落ちを超えるストーリーは、私には思いつかない。

似たようなネタで、星新一さんの、作品名は失念しましたが、地球征服を企んだ宇宙人が地球人の生態について(特に生殖機能について)調査研究しようとして一組のカップルを拉致監禁&観察する話がありましたね。
落ちは(以下ネタバレです)、そのカップルは実はレスビアンカップルだったというもの。
非常に やおい話に向いたネタ&落ちだと思うのですが、これも私にはこれ以上の落ちは思いつかない(というか、流用したら明確にネタパクになってしまいます)。

ここまで考えて、私は「第三者=宇宙人」ネタを断念いたしました。
次に私が考えたのは、恋をして挙動不審になっている弟子を心配したカミュ先生が私立探偵を雇って、氷河の動向を探らせるというもの。
これなら探偵さんは、『氷河と瞬を知らない人』というお題をクリアできますから、それでいこうと思ったのです。
んが。
ネタの方向性が決まって安心した私は、プロット制作に入る前に、つい録画しておいた『仮面ライダー電王』を観てしまったのです。これが私の運のつき。

私が観たのは、ちょうど、「桜井侑斗くんが変身する仮面ライダーゼロノスは、変身するたびに大切なものを失っている。彼が失っているものは……」という回でした。
途端に私は、その設定の流用(もちろん大幅変更を加えてです)を思いついてしまったのです。
落ちを知らないことが、この場合は幸運でしたね。なにしろ、知らないものはパクりようがありません。

とかとかとか、こんなふうに自分のネタ探しの過程を振り返っていると、つくづく私は 無から(or 一から?)何かを創作することのできない人間なんだなあと思います。
もの書きというものは誰でも、多かれ少なかれ そういうところがあるものだとは思いますが、しかし私は自分の内にネタを求めない態度が最初から あからさま。本当に、あらゆる意味で二次創作タイプの人間なのだと思います。
ちなみに、私が話を書く際にほぼ毎回「今回の元ネタは〜云々」と記述するのは、私に元ネタを提供してくれた先達たちに敬意と感謝の気持ちを表すためであり、同時に、私が一からそのネタを“創作”したのだと思われないためでもあります。私には そんな才能はないのです、はい。

ともあれ、そういう経緯を経て、今回の話が書かれることになりました。
まあ、氷河と瞬ちゃんのいちゃいちゃを見て、「まあ、微笑ましい」「見てるこっちが恥ずかしい〜」なーんてことを感じる第三者さんよりは、「これは理不尽だ。納得できない。腹が立つ。むかむか〜」と思ってくれる第三者さんの方が、話を作りやすいわけです(少なくとも、私はそう思った)。
で、「そういう気持ちに最も自然に至ってくれるのは誰だ?」と考えた時に、「これはもう彼しかいない!」と私は思ったのです。


ちなみに、今回の話が 究極の一元視点である一人称小説の体裁をとっているにもかかわらず、タイトルが『神の視点』なのは、『神の視点=事物を客観的に見ることのできる第三者の視点』程度の意味です。
小説用語(?)で言うところの『神の視点』ではありませんので、ご了承ください。

あと、この件については触れない方がいいということはわかっているのですが、あえて。
もし星矢二次創作作品をご覧になる際に、アニメキャラの声を思い浮かべてしまうという方がいらっしゃいましたら、この話の瞬の声は粕谷さんのお声の方をイメージしてお読みいただけましたら幸いです。
作中、瞬の声についての描写があるのですが、私は、その部分を粕谷さんのお声を念頭において形容しましたので、堀川さんのお声の描写としてお読みいただくと、違和感が拭い去れないことになると思うのです。
もっと才気走ったキャラ設定の瞬なら堀川さんのお声の方が向いているのかもしれませんが、今回の瞬は『お利口』より『健気』の要素の方が強いので。
そういうわけですので、すみませんが よろしくお願いいたします。


そんなこんなで。
私は、今回は、その必要もないのに いただいたお題を捻ねった形で話にしてしまったような気がします。
もっとストレートにいくべきだったかもしれないという反省もあるのですが、そして、リクエストしてくださったナツヲさんが瞬ファンだった場合、『瞬がいかに氷河に愛されているか』という側面をクローズアップするのが、いわゆる「サービス、サービスぅ」になったかもしれないという気持ちもあるのですが、今回は『愛されている氷河』路線でいかせていただきました。
多分、これがウチの氷河と瞬の『ラブっぷり』なのだと思うのです。

不肖、わたくしめ、いつもいつも いただいたお題をひねくりまわし、こねくりまわし、わざと、あるいは意図せずに曲解し、ずっこい逃げばかりかましているような気がしてなりません。
ですが、キリリク作品が100パーセント予想通りの内容で、サプライズが全くないというのは、それはそれで詰まらないことだと思うので(お題の種別・傾向にもよりますが)、こういう私のスタイルを貫かせていただきます。
どうか ご容赦くださいませ。

ナツヲさん、リクエスト、どうもありがとうございました!
ひねた書き手で本当に申し訳ありません〜;





284500カウント記念小説 入り口










MENUへ記念MENUへ8番目の花壇MENUへ