それからまもなく。 瞬王子から女の子の心を受け取った星矢は、それを氷河王子の妹姫の胸に収めることができました。 絵梨衣姫は、とても朗らかで優しい姫になり、氷河王子のお母様の魔女の噂もすぐに消えていきました。 務めを終えた星矢は、 「神様の目を盗んで、また遊びにくるよ」 と笑って言って、天の国に帰っていきました。 女の子の心を絵梨衣姫に返しても、氷河王子を好きな瞬王子の気持ちは何も変わることはありませんでした。 人間の心というものは、どこまでも強く優しく広がり続ける輪のようなもの。 無限の輪に無限の輪を重ねても無限。 2つの無限から1つの無限を取り除いても、そこに残るものはやはり無限なのです。 王子様同士がとても仲良しになったので、2つの国は強い絆で結ばれることになりました。 いつまでもよその国のお城に居候をしているわけにはいきませんから、氷河王子はまもなくゴールドランドに帰っていったのですが、恋し合う二人の間に横たわる距離なんて、恋する心は簡単に乗り越えてしまうもの。 氷河王子と瞬王子は、毎日馬を飛ばしてシルバーランドとゴールドランドの国境の森に出掛けていき、そこでデートを重ねています。 そう、そして、もちろん、瞬王子は氷河王子にしっかり抱きしめてもらうことができましたよ。 Fin.
|