316000カウント記念小説


316000カウントをGETしてくださったのは、ついりさん。


お題は、

「『リボンの騎士』パロディで氷瞬」

(& リンクフリーに甘えて貼らせていただきます、サファイアとフランツ
(『銀河ステーション』さん、トップはこちらです)


ついりさんは、星矢ファンであると同時に手塚先生のファンでもあるそうで、
「何かひとつ手塚作品で書いて頂きたいと思っておりました」
とのことでした。

ついりさん、リクエストどうもありがとうございます!

さて。
「お待たせしました。リボンの騎士です!」
とは、森川久美さんのヴァレンティーノシリーズ『嘆きのトリスタン』で、ヴァレンティーノがリボンの騎士に扮して言ったセリフ。
そんなふうにパロられるほど、リボンの騎士は正体を隠した(華麗な)正義の味方の代表格でありましょう。
同じように仮面をつけていても、『仮面の忍者 赤影』や『仮面ライダー』では駄目なのです。華麗な少女マンガの世界では、やはり リボンの騎士でなければ!

ところで、わたくしめ、ついりさんからいただいたリクエストメールで、『リボンの騎士』のリメイク版がなかよしで連載されているということを初めて知りました。
大いなる期待と大いなる不安を胸に抱きつつ検索の旅に出た私は、サファイアが現代の日本に暮らす中学生――というリメイク版の設定を知り、びっくりしてしまったのです。

サファイアは、健気で美しいお姫様であり、同時に、華麗でカッコいい王子様。
それこそが、リボンの騎士がリボンの騎士であるための絶対必要条件だと思っていた私には、現代版『リボンの騎士』はなかなかに大きな衝撃でございました……。

ちなみに、私は、『リボンの騎士』は手塚先生のマンガではなくアニメの方から入りました。
何度目の再放映だったのかはわかりませんが、当時 民放が2つしかなかった超ド田舎で、夏休みの早朝に毎日放映していたのを見たのが最初。
その後、原作があることを知って、手塚先生のマンガを購入した次第です。

サファイアは、原作ではわりと女の子らしい(女性らしい)ところのあるお姫様(王子様)で、アニメの方は、元気で明るい女の子(男の子)。
私はサファイアは、アニメのサファイアも原作のサファイアも両方好きなんですが、問題はフランツです。

フランツは、もう断然アニメの方が好きです。
原作のフランツは、サファイアが亜麻色の髪の乙女を隠してると誤解&非難して、サファイアを泣かせたりするんだもの。
人を疑う気持ちが強くなるのは、順風満帆の恋をしていない人間としては さほど不自然なことではないのかもしれないですが、ともかく原作のフランツは思い込みが激しくて、冷たいところがある。

その点、アニメのフランツは、サファイアのいい親友で、一瞬たりともサファイアに悪い心があるなんて疑ったりしない。
サファイアが亜麻色の髪の乙女だと知った時には、彼女の前に跪いて、
「もう二度と離さないよ。君のためなら、命だって惜しくないんだ!」
などと、恋する王子様の王道なセリフを堂々と吐いてくれます。
サファイアが、自分よりリボンの騎士と親密だと勘違い&焼きもちを焼いた時も、結局はサファイアのために男らしく身を引こうとする。
アニメのフランツは、どうみても原作のフランツより年齢設定は下だと思うのに、原作のフランツよりずっとずっと男らしくて思い遣りにあふれている。
もう、可愛くて健気で、健気で可愛くてたまりません。

もちろん、そんなフランツに恋されているサファイアも超健気です。
X連合との決戦の時なんか、サファイアを守るために剣を持って飛び出していったフランツを、どかん☆とぶっ飛ばして、
「ごめんなさい、フランツ。サファイアはあなたを危険な目になんて合わせられないの!」
と言って、自分が敵陣に突っ込んでいく。

お姫様(女の子)が王子様(男の子)を力づくで庇うというシチュエーションが、当時の私には非常に衝撃的でした。
「フランツをぶっ飛ばすのは危険じゃないのかー!」
と突っ込みを入れつつ、サファイアの健気に涙する私。
ほんとにほんとに可愛い恋人同士なんですよ、フランツとサファイア!

しかし、↑ これらのセリフ、私は原作も読み返さず、アニメも見返さずに書いています。
細かいところで違いはあるかもしれませんが、大体はこうだったはず。
それくらい好きな作品です、リボンの騎士。

それくらい大好きな作品を氷瞬で書けるのはとても嬉しいのですが、同時に、大変な冒涜を犯しているような気がするのもまた厳然たる大事実。
でもでもでも、アニメのフランツとサファイアがしていることを、そのまま(ウチの)氷河と瞬にやらせても(=単純ダブルパロにしても)、『(アニメ)リボンの騎士』のサファイアとフランツは、私の氷瞬像からさほどかけ離れていないのです。
しかし、いくら二次創作とはいえ、それではさすがに芸がないので、今回の話はリボンの騎士の設定だけを借りた別物にさせていただきました。

いや、でも、ほんとにそのまま氷瞬話のネタにできるエピソードが多いんですよ、『リボンの騎士』。
フランツを好きになったビーナス(アフロディーテ)が、フランツに愛されているサファイアに嫉妬して、サファイアの顔を醜くしてしまったり、
フランツに恋した魔女の娘ヘケート(絵梨衣さんかフレアあたり)がフランツへの恋のために死んでみたり(これは原作の方)。
サファイアはサファイアで、エジプトの王子様(天獣星のファラオ君あたりですか?)に惚れられたり、
海賊ブラッド(これは絶対、一輝兄さん)にドレスをプレゼントされてモーションかけられたり。
『リボンの騎士』って、実は、フランツもてもて&サファイアもてもて話なんですよね。

恋愛絡みのシーンではサファイアをリードするのはフランツなんですが、剣の腕前とかは、どう見てもフランツよりサファイアの方が上。
そんなとこも氷瞬(?)。
リボンの騎士といい、ベルサイユのばらといい、氷瞬といい、私の好みは一貫しています。実にわかりやすい。
実力派の女性( or 受け)と、恋の場面ではきっちりリードしてくれる男性( or 攻め)の組み合わせが好きなんです。

これって、ある意味、究極のドリーム(女性にとってのドリーム)。
女性( or 受け)が社会的・公的に活躍するのを、プライベート(恋愛面)で支えてくれる男性( or 攻め)。
女にとっての理想だと思いますね。


今回の話には、もちろんリボンの騎士が出てきます。が、実は私は、この話にリボンの騎士を出す必要はなかったと思っています。
そういう、言ってみれば枝葉部分を削ぎ落として書いた方が、1本の話として すっきりまとまるということはわかっていたのですが、『リボンの騎士』の面白いところや私の好きな部分を あれもこれも入れたいと考えて、つい欲張りすぎてしまいました。
当然、作品のテーマは拡散し、話は長くなってしまいましたが、しかし、話を書いている私は滅茶苦茶楽しかった!

作品の内容より、私の楽しみを優先させてしまったことは本当に申し訳なく思っています。どうかお許しください。
ついりさん、素敵なお題をどうもありがとうございました!

話がちょっと長くなりましたので、2部に分けました。お時間のある時に適当に分けてお読みください。





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