416000カウント記念小説


416000カウントをGETしてくださったのは、akiraさん。


お題は、

『氷河が自分以外の人を好きなのだと勘違いし、
氷河に振り向いてもらうために一生懸命な瞬』


「瞬ならその場合は諦める等、キャラのイメージに合わない場合は申し訳有りません」

とのことでした。
akiraさん、リクエスト、どうもありがとうございます!

さすがに よくおわかりで。

akiraさんのおっしゃる通り、ウチの瞬は、氷河に好きな人がいるのなら、氷河に振り向いてもらうために頑張ったりはしないだろう――と思います。
氷河がそれで幸せになってくれるのなら、瞬は多分 自分の恋を諦めて身を引く。
その程度の『好き』でしかないというのではなく、氷河を好きだから そうする。
氷河の気持ちを重視するから、そうなるのです。
ですが、それでは、いただいた お題に沿わない。
しかし、私は、私がこうだと信じる瞬のキャライメージを崩したくない。

というわけで。
いただいたお題に沿った話を書き、かつ、自分の中にある“瞬”像を壊さないために、私は 今回、かなり苦し紛れの卑怯なことをすることになってしまいました。
今回くらい詭弁を弄した話は、これまで書いたことがなかったかも。
今回の話は、
「私ってば、なんて卑怯〜」
と幾度も呟きながら書いた話です。
大変申し訳ありません。

最初は、瞬が 氷河の恋の相手と勘違いする人を、どう考えても氷河が絶対に幸せになれない人にすれば、どうにか お題をクリアできるのではないかと思ったのです。
氷河がその人を好きでいると、氷河は必ず不幸になる。
そういう人が恋敵だったなら、瞬も、氷河に恋を諦めさせるために奮闘するのではないかと。

で、私は、氷河が不幸になるような恋の相手を探したのです。
身近な青銅聖闘士たち、沙織さん、氷河が戦った敵さんたち。
それはもう、いろいろなパターンを考えました。
「いっそ、氷河の恋の相手がカーサだったらどうだろう」
と、そんなことまで考えた。

でも、どのパターンも駄目だったのですね。
カーサですら、
「瞬ちゃんなら きっと、氷河の幸福のため、カーサにいい人になってもらうために頑張るだろう」
と思えた。

次に考えたパターンは、氷河の恋の相手が亡くなっている人の場合。
死んでしまった人が氷河の恋の相手なら、氷河が その恋を実らせることはできませんから、氷河は確実に幸福になれない。
そういうことであれば、瞬も生きている人への遠慮を感じる必要はありませんから、氷河の幸福のために心置きなく必死になることができ、私もお題をクリアできるのではないかと思ったわけです。
でも、それでもやっぱり駄目だったのですね。
瞬ちゃんは、氷河に、その恋を諦めて生きている人を見るようにと説得することはするかもしれませんが、『だから、僕を見て』とは言わないだろう。
私は、そう思いました。

そんなこんなを経て、私は いよいよ卑怯な詭弁に頼らなければならなくなってしまったのです。
重ね重ね申し訳ありません。

しかし、何と申しますか。
↑ 上記の苦悩(?)のあれこれは、実に興味深い苦悩でありました。
ある意味、ラブストーリーの王道の一つと言っていいような さりげないお題が、瞬の恋に当てはめようとした途端に 困難至極なものになる。
実にまったく、今回のお題は、私の中にある瞬というキャラクターを見詰め直す いい契機になりました。

瞬って、“いい子”なんですよね。
いい意味でも、悪い意味でも、“いい子”。
そして、私は、ごく普通の価値観を持つ、ごく普通の人間ですから、“悪い子”より“いい子”の方が好き。
そんな私の精一杯が、今回の話というわけです。

とはいえ、どう言い訳したところで、この話が、いただいたお題に沿っていないのは明々白々な事実。
akiraさんには、本当に本当に申し訳ありません。
「これでも、きゃわは、きゃわなりに頑張ったのだろう」
と呆れて、今回は、寛大なお心を用意して お読みいただけましたら幸いです。
よろしくよろしく お願いいたします。





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