「『恋する英雄』の続編」 「カミュ先生の性教育を、氷河は瞬ちゃんとのHで実践しているか?」 のいずれか。 (『恋する英雄』の続編の場合は) 「世界一の馬鹿王子再び! 氷河王子と瞬王子の結婚にまつわるお話をお願いいたします。 結婚前のドタバタでも、結婚後のドタバタでもかまいません」 ──とのことでした。 あんころもち瞬さん、リクエスト、どうもありがとうございました! 『恋する英雄』の続編か、カミュ先生の性教育話のどちらかということでリクエストをいただきましたが、これは もう問答無用で前者を選ばせていただきました。 (ウチの)カミュ先生の性教育なんて、正直、トドやアザラシ、シロクマの実践観察をさせるくらいのことしか思いつきません。 その学習成果を瞬とのことで活用されても 瞬は困るだけ。書き手である私も困るだけ。 種の存続をかけた命がけの生&性の営みは、華麗なる(?)やおいの世界では あまりに重く深刻すぎるテーマ。 その点、能天気な馬鹿王子の話は、書くのも気楽。書いている私も無責任に楽しい。 そういうわけで、世界一の馬鹿王子再び、です。 ところで、さて。 馬鹿にもいろいろありますが、『恋する英雄』の氷河の馬鹿は、常識がないタイプの馬鹿でございます。 氷河が一輝に『世界一の馬鹿王子』と呼ばれるようになったのも、瞬を男子と知りつつ 求婚したから(ということに、話の中ではなっている)。 対して、瞬は(一応)常識人。 いただいた お題は『氷河王子と瞬王子の結婚にまつわる話』なのですが、常識人である(ということになっている)瞬は、(非常識な)結婚を(当然)嫌がるでしょう。 古代ギリシャ世界の地名を冠する国を舞台にした話とはいえ、この話のギリシャ世界は あくまでもパラレル世界での古代ギリシャ。 とりあえず、そこでは同性婚は非常識なこととされている──ということにさせていただきました。 もちろん、ギリシャ神話の神様方は 同性との恋愛をしまくりで、現実の古代ギリシャ世界でも、年長の男性が少年を愛するのは 社会的な制度として認められていましたが、それは年少者の方がある程度の年齢に達したら解消されるべきものであり、結婚とは明確に異なる制度。 古代ギリシャのペデラスティは、歳若く未熟な少年を 大人の男に育てるための制度であり、生涯を共にする(ことが望ましいとされる)結婚とは完全に別物です。 ちなみに、時代がくだって、帝政ローマの頃になりますと、5代皇帝ネロが 複数の解放奴隷(♂)と正式に結婚したり、美少年スボルスを皇后に迎えたりしていますし、23代皇帝ヘリオガバルス帝も男性奴隷や戦車選手(当然♂)との結婚を宣言していたりします。 ローマの皇帝たちは その絶対権力を背景にやりたい放題ですが、それらが常識的行為だったかというと、決して そうではないでしょう。 現代日本でも、同性愛自体は特に非難されるようなことではありませんが、法的に婚姻することは認められていません。 『恋する英雄』のギリシャ世界もそういう世界、それが常識な世界なのだと思って 読んでいただければ幸いです。 ところで。 『恋する英雄』は、元はといえば、ND星矢のゴールディちゃんが可愛くて書いた話でしたので、今回もシルビアンが出張っています。 口がきけるわけではないので、出張るにも おのずから限界はあるのですが、シルビアンが出ている場面は 書くのが とても楽しい。 私を 大きいケダモノの魅力に目覚めさせてくれたゴールディちゃんは実に偉大です。 まあ、ちょっと残念ではあるのですけどね。 シルビアンの出ている場面を書いているのは本当に とても楽しかったのですが、やはり これは文章ではなく絵で見たいと思ってしまったので……。 そんなこんなの 世界一の馬鹿王子話。 こんな話を書く私こそが世界一の馬鹿二次創作者なのではないかと思いつつ、どうぞ よろしくお願いいたします〜(?)。 |