『私が死んだら、私の故郷の村に行け。そして、そこで、おまえはおまえの生き方を選ぶんだ』
それが、氷河の父の遺言だった。
氷河は、その遺言を実行した。
そして、正しい選択をした──と、彼は思っていた。
自らの罪を他人に転嫁し、自分だけが安らかに生き、安らかに死ぬ。
そんな人生を氷河は望まなかった。
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