そして、だが、その切なさも長くは続かなかった。

長すぎる快感が、再び苦痛に変わり始める。
氷河との交合は、狂ってしまった方がどれほど楽かと思えるほどの愉悦を、瞬にもたらしていた。
生きていくのに必要な感覚が身体から遠く離れ、息もできない。

氷河はまだ突き上げ続けている。

身体の奥がしびれ、麻痺してきた。
気が遠くなり、実際に瞬は幾度も気を失いそうになった。

しかし、氷河の動きが瞬に気を失わせない。

あまりにも長い時間続く常軌を逸した歓喜。
瞬の心はまだ、それに耐えられるほど成熟してはいなかった。

「ひょ…が……も、やめて……」
それだけ言うのが精一杯だった。

しかし、氷河は何も答えてくれない。

氷河は、瞬の身体の中をかきまわすことに夢中になっているらしかった。


快感と苦痛がないまぜになり、もう声も出ない。

氷河がそうしたいのなら、それで構わないと思う。

瞬は、もうとっくに絶頂を通り過ぎていた。






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