「瞬 !? 」

その時、瞬はまだ、自分を取り戻していなかった。
自分の名を呼んだのが、自分の発した悲鳴が呼び寄せてしまった、氷河ではない仲間だということに、瞬は、すぐには気付かなかった。


「瞬……氷河……?」

星矢は、行方の知れない──少なくとも日本に入国した記録のない──金髪の仲間が、瞬に覆いかぶさっている姿を、その場に見い出した。

呆然とその場に立ち尽くしていた星矢の目の前で、やがて氷河の姿が消え、代わりに、窓から射し込み始めた朝の光を受けたベッドの足許に、小さな犬の影が現れる。

ベッドの上には、あられもない格好をした――脚を開き、腰を浮かし、胸を大きく上下させている──瞬が一人いるきりだった。






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