神との合一は間断のないエクスタシーのようなものだ――と、冥界の王は言った。 彼の姿は見えない。 彼の声も、瞬の聴覚を通じてではなく、瞬の脳に直接響いてきた。 死をさえ望むようなエクスタシーの中で、狂喜に似た狂気に陥り、やがて自分自身を放棄する。 それが神と一つになるということだと、その声は瞬に告げた。 『抱いている相手の中に沈み込み、そのまま自分自身を失ってしまってもいいと思ったことがあるだろう? あの瞬間が永遠に続くようなものだ』 そう 実際には瞬には何も見えていなかったのだが。 彼は、それから、からかうように瞬に尋ねた。 『経験はあるのか?』 瞬は無言でいた。 答えるべき答えを瞬は持っていなかったし、持っていたとしても答えることはできなかったろう。 瞬は、得体の知れない闇のような存在の持つ無明の力の前にひとり立ちすくみ、その強大さに圧倒され、身体を動かすこともできずにいた。 |