14人の瞬たちが氷河の前で可愛らしくもじもじしている頃、雪のお城を後にした15号は、シベリアの広い雪原をひとりぽっちでさまよっていました。
行くあてもなければ、眠るところも食べるものもなく、今にも雪原を渡る風に吹き飛ばされそうになりながら……。
なのに、シベリアのそんなにも冷たい風にも、15号の悲しい心を吹き飛ばしてしまうことはできないのでした。

やがて、15号は、おなかがすいて、悲しくて、寂しくて、もうそれ以上一歩も動けなくなりました。そして、広い雪原の真ん中でぱたりと倒れてしまったのです。

(僕はこのまま死んじゃうのかしら……)
15号がそう考えて、泣きそうな気持ちになった時。

どこからか、
「氷河、氷河! こんなとこに小人が倒れてる!」
という声が聞こえてきました。

そして、次の瞬間、15号の凍えた身体をふわりと包んでくれたもの。

それは、たれたれ氷河さんとシベリア旅行に来ていた、たれたれ瞬ちゃんの優しく暖かい手の平だったのです。







【next】