![]() たれたれ氷河さんとたれたれ瞬ちゃんは、ひとりぽっちの15号に、それはそれは優しくしてくれました。 毎日ケーキをいっぱい食べさせてくれて、甘いジュースも飲み放題。 リカちゃんハウスには、エレベーターもついています。 15号は毎日とても幸せでした。 とても幸せだったのですけれど……。 たれたれ氷河さんとたれたれ瞬ちゃんが仲良くしているのを見ていると、15号は、ふっと思い出してしまうのです。雪のお城で暮していた氷河と、仲間たちと、気まぐれに時々帰ってくる15人の一輝たちのことを。 毎日幸せなのに、ほんとにとっても幸せなのに、そんな時、15号の瞳には、なぜか涙があふれてきてしまうのでした。 「15号ちゃん、どうしたの?」 たれたれ瞬ちゃんに気遣わしげに尋ねられても、15号はたれたれ瞬ちゃんの手の上で泣きじゃくることしかできませんでした。 たれたれ瞬ちゃんとたれたれ氷河さんはとっても優しくしてくれるのに、『仲間たちのところに帰りたい』なんて思う方が変なのです。 絶対変なのです。 15号は、たれたれ瞬ちゃんの手の上で首を横に振り、にっこり笑ってみせました。 涙でいっぱいの瞳で――。 たれたれ氷河さんとたれたれ瞬ちゃんは、そんな15号を心配そうに見詰め、そして顔を見合わせたのです。 |