「退院の手続きをしておいた。もう大丈夫だろう。」 「………。」 「よかったな。」 なんとか気を取りなおしたミロが瞬に祝いを述べる。氷河はまだ冷気の中だ。 「はい、ありがとうございます。」 瞬はうれしそうに頭を軽く下げた。それを見た氷河も、 「じゃあ、オレも準備してくる。」 「なにを言っている。お前はまだ寝ていろ。」 「えっ!?」 これは氷河にとって寝耳に水であった。 「それはそうだ。その怪我に加えてさっき暴れたから(?)新しい傷もできている。もう一、二週間ほど入院していたらどうだ?」 と、ミロがしたり顔で言う。 「冗談じゃない。オレも今日出て行くぞ。」 「氷河、、。」 こうなった氷河がてこでも動かないのは誰の目にも明白である。そしてそのことを誰よりも知っているだろうカミュは、 「好きにしろ。」 こう言って再び医者のもとへ足を運んだ。今度は氷河の退院手続きの為に。 それから三時間後、カミュの説得(脅し?)が功を奏し、医者の必死の説得を振り切ったかたちで氷河は病院を後にした。 |