数時間経過

「ああ楽しかった。」
「そうだな。特にあの時の星矢、」
「言うなよ。紫龍。」
「でも、面白かったよ。あのメソ……」
「瞬まで!」
星矢は慌てて瞬の言葉を遮り、星矢以外は爆笑した。
「笑うなよー。」
そう言う彼もまんざらではなさそうだ。

そんないつ果てるともしれない少年達の談笑を物影からじっとみつめる男がいた。
「やっと、やっとみつけた。」
男はこうつぶやくと、いまだに笑いの絶えない少年達に背をむけ、来たときと同じように静かにその場を去った。

少年はまだ、己の運命を知らない。






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