――僕はこのままでも構わない。でも、氷河は氷河のままで――氷河のままで、僕を愛してくれなくちゃ、でなきゃ、意味がないのに……!
そう叫ぼうとしたのに――声が出なかった。
“彼”に支配されているからではない。
僕は、僕自身に戻っていた。
自分の身体を自由にできるようになっていた。
僕の叫びを封じたのは、“彼”自身ではなく、“彼”に支配された氷河の唇だった。
そして、氷河を支配した“彼”は、今度は氷河の身体を使って、僕の中に押し入ってきた。
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