人間というものは、闘い争うことが好きなのかもしれない。

まるで、それが人の生きていることの証だとでもいうかのように、瞬の前には次から次へと新たな敵が現れ、まるで、それが自分の生きていることの証だとでもいうかのように、瞬は闘いを続けていた。

瞬の周りから闘いはなくならなかった。
終わらなかった。


聖闘士でなくても、人はいつも――死を迎え入れるその時まで――何かと闘っているのだろう。
あたかも、“自分自身が生きること”と闘い続けているかのように。

そんな中で、人は、“特別な人”に出会い、出会った相手を“特別な人”として選び、共に生き、闘い、そして死んでいく。


――死んでいく――のである。





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