氷河は、瞬にしがみついたまま、泣き疲れて眠ってしまっていた。

いつの間にか運ばれていたベッドと、真夜中なのに灯りのついている部屋。
氷河がぼんやりと目を開けると、横には瞬が眠っていて、その手は氷河の手をしっかりと握りしめてくれていた。

が、氷河は、すぐに気付いた。
瞬が自分の手を握りしめているのではなく、自分が瞬の手を握りしめているのだということに。

ベッドの横には椅子が一脚引いてこられていて、腕組みをした無礼な男が不機嫌そうな顔をして腰掛けていた。


瞬の手は温かかった。
氷河は、その手をもう一度強く握りしめて、再び目を閉じた。





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