僕が、みじめな気持ちで氷河のベッドから起きあがったのは、朝になってからだった。
いつも僕が目覚める時刻に、僕の部屋ではなくリビングからアラーム音が響いてきて、それを止めるために、僕は氷河の部屋から出なければならなくなった。
それは、置時計が発する音ではなく、携帯電話のアラーム音だった。
この家で初めて出会う、外界に繋がるもの――。
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