――俺は、その時、俺の人生で最大最悪の恐慌状態に陥っていた。
自分で自分が何をしているのかがわかっていなかった。
と思う。

でなかったら、この俺が、俺の大事な瞬に、あんなことをしでかしてしまえたはずがない。


1929年、地球上の全ての資本主義諸国を襲った史上最大規模の世界恐慌もコップの中の嵐としか思えないほどの大恐慌の中、俺は、瞬の部屋のドアを蹴り開けて、その場に瞬を押し倒していた。






【next】