翌日も、その翌日も、“神”はシュンの許にやってきた。
彼は、シュンを抱きしめ、子供に対する母親のような愛撫を続け、シュンが眠りに落ちるまでは、いつもそうしてくれていた。

シュンの恐怖心は、日を追うごとに薄れ、ある日、シュンは、彼と体温を一つにして眠ることとその温かさを、心地良いと感じるようになっている自分自身に気付いたのである。
夜の始まりのうちにはためらっていても、いつのまにか、シュンは、彼の胸と腕に自分の身体を預けてしまっていた。

彼が“神”だと、確信できたわけではない。
それを疑う気持ちは、今でもシュンの中に確かにあった。

彼が神なのか人なのかは、いつまでもシュンにはわからなかった。
彼は言葉を発しなかったし、何事かの不思議な力を示すこともしなかったのだ。
ただ、彼が優しいことだけは、シュンにも感じとれていた。
最初の夜への切ない後悔が、彼をそんな大人しい獣にしてしまったらしいことが。






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