「なっ……なにぃ !? 」

女神アルテミスが、車田キャラの定番セリフを吐いたその時、だった。
瞬が閉じ込められていた虫籠の上空から、ででーん★ と、人間の姿をした氷河が降ってきたのは。

「しゅ……瞬、大丈夫かっ !? 」
「氷河……」
トンボの大群をかきわけるようにして、氷河が瞬の側に走り寄る。
もちろん、瞬は、すぐにその胸の中に飛び込んでいった。

「こ……恐かった……。僕、恐かったよおーっ !! 」
氷河の胸の中で、珍しく瞬が、大声をあげて泣き叫ぶ。

そんな瞬を抱きしめ、その髪を撫でながら、氷河は、低く、『ありがとう』と、一言だけ礼を言った。






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