それから、シュンの住む館に来るたびに、ヒョウガはシュンを抱くようになったのである。

シュンが、ヒョウガの愛撫に慣れるのは早かった。
人肌の温かさに飢えていたシュンに、それは、僅かな痛みを伴う肌の触れ合いに思えたのかもしれない。

シュンはやがて肉の快楽を覚え、それを快いと感じる術を身につけていった。
ヒョウガの下でシュンが洩らす声は、悲鳴から歓喜の喘ぎに変わっていき――だが、それが逆にヒョウガを苛立たせたのである。
その行為の意味も知らずにヒョウガの情欲を受け入れ、あまつさえ悦んでみせるシュンに、ヒョウガは憤った。
そうせずにいられず、そして、シュンにそれを求めているのはヒョウガ自身だというのに――。

「無理矢理犯されているんだぞ、泣きわめいたらどうだ !? 嫌なら嫌と言え。俺の手を振り払え!」
力任せにシュンを貫きながら、ヒョウガは、幾度もそう言ってシュンを責めた。

だが、あらぬ体勢をとらされて、ヒョウガの熱と怒りを受けとめ締めつけるのに必死なシュンは、自分が何を言われているのかもわかっていないようだった。
ほんの2、3度ヒョウガと身体を重ねただけで、ヒョウガの乱暴な言葉さえ、快楽の種にしてしまえるほどに、シュンはその行為に順応していった。


ヒョウガのために身体を開く術を覚え、身体を交える歓喜を自分のものにしたシュンは、肉の交わりに、全く罪悪感を覚えていないようだった。
シュンはやがて、その行為を、仕草で自分からヒョウガに求めてくるようにさえなった。


シュンにはおそらく、その素養があったのだろう。
しかも、シュンは、ヒョウガを楽しませ酔わせることのできる身体の持ち主だった。
必死にヒョウガを受けとめるシュンの身体は痛々しいほど細く華奢だというのに、シュンは間違いなくその行為を悦んでいた。






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