俺は瞬を日本に連れて帰るつもりだった。
だが、瞬の父の生死を確認するまでは、この島を出ることはできない。

島での生活のリズム、瞬との意思の疎通の図り方を心得ると、俺は瞬の父を――もしかしたら、彼の死を確証を――求めて、島の探索を始めた。

瞬は毎日俺の後についてきて、島内の色々なことを俺に教えてくれた。
鳥の鳴き声、果物の味、泉のある場所。
触れてはいけない昆虫や植物――。

一人で見知らぬ場所を歩きまわらずに済むのは有り難かったのだが、俺はいつも、目のやり場に困っていた――。






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