これが、瞬の無知と孤独につけ込んだ俺への罰なのだとしたら、これ以上に辛辣で皮肉な罰はない。 俺のしたことが、瞬に、島の兎や鳥たちと同レベルのものと認識されている――とは。 人間は、どうやら、狡猾・冷酷と思われることよりも、卑俗・俗悪と思われることの方に、痛みと屈辱を覚えるものらしい。 (もっとも、兎や鳥たちの行為は、俺のそれよりははるかに高尚な行為だが) 俺のしたかったことは――あんな手段をとってしまったが――俺が本当に望んでいたことは、そんなことではなく――。 俺は、この綺麗な瞳の持ち主に、俺を好きになってほしかった――瞬と同じ高みに、俺自身が登りたかったんだ。 生まれて初めて見た動くものに付いてまわる雛鳥のように俺に懐いてくる瞬に、俺は、俺を、瞬と同じ人間なのだと認めてほしかった。 それが叶いそうにないから、俺は、力で瞬を押さえつけ、瞬を侮辱することで、瞬を俺と同じ次元にまで引きおろそうとした――。 あれは、そういうことだったんだ、おそらく。 俺は、あの時にはまだ、瞬を恋することすらしていなかったのかもしれない。 眩しいものを見詰める思いで、憧れていただけだったのかもしれなかった。 自分の罪を正しく償うためには、自分の罪を正しく理解することが必要だ。 俺は、自分の卑俗さを、嫌というほど思い知った。 そして、瞬に恋されたいと願っている自分自身を自覚した。 |