「ど……どーゆーこと、これっ!」
瞬の怒りは、至極当然だった。

が、星矢は、瞬のその怒りを綺麗に無視した。
「えーっ、瞬、“ほぼ受け”なのか? てっきり、“完全無欠の受け”だと思ってたのに〜っ!」
「完全無欠の受け?」

どうやらこの占いの結果が不満らしい星矢に、瞬が尋ね返すと、彼は口をとがらせて頷いた。
「俺が、瞬だったらこーだろーなーってのを選んで占ってみたら、そういう結果が出たんだよ。何が違ってたんだろーなー」

星矢が、首をかしげながら画面をスクロールさせて、瞬の回答のチェックを始める。
この占いの結果に、星矢とは全く逆方向で憤慨している瞬の気持ちになど、星矢はまるで頓着していないようだった。
「ちなみに、俺は“ノーマル”だったんだ。やんちゃ受けやへたれ攻めになる可能性ありだから、気をつけろってさ。問49からのAを瞬に想定してやると、“やや攻め”になるんだけどさ」

「俺は、“ほぼ攻め”だった」
星矢と一緒に、瞬の回答のチェックを始めた紫龍が、画面を見詰めたままで言う。
どうのこうの言いながら、結局はこの占いを面白がっているらしい紫龍に、瞬は、ついつい肩を落としてしまったのだった。

が、面白いかどうかはともかくも、確かに気になることは気になる。
「氷河は……?」
瞬は、ちらりと氷河を見やり、意識して無関心を装いつつ、彼に尋ねた。

「俺も“ほぼ攻め”だった。プログラムソースを覗いてみたんだが、“完全無欠の攻め”には、あと1ポイント足りなかったようだな」
「…………」

確かに、誰にも“男性”という結果は出ていないようだが、それは詭弁というものである。
騙されたような気分になって、瞬は、ぷっと頬を膨らませた。






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