そうしてふたりは、別々の場所で、彼等だけの眠れる恋人を見詰めながら、この哀しい世界を悲しむのだった。
人に、決して傷付くことのないこの世界を捨てさせる力の正体を見付けたような、そんな思いに捕らわれながら。
【next】