それ以降、瞬の外出は以前にも増して頻繁になり、それが深夜と言える時刻に及ぶ日も増えた。最初のうちは、それを氷河をからかうための材料にしていた星矢たちも、やがて、瞬の深夜の帰宅がたび重なることを真面目に心配し始めたらしい。

「最近瞬が夜遊びしてるって、沙織さんにご注進してみたんだけどさぁ……」
沙織は、星矢の、注進という名の告げ口を、
「瞬はいいのよ」
の一言で片付けてしまったのだそうだった。

闘いが起きている時以外は、聖闘士たち個々人の自由を束縛しない主義の沙織らしいと言えばそうとも言えたが、瞬の仲間たちには、どうにも納得のできない沙織の対応ではあった。






【next】