「だが、なぜ、そんなものを思い出して、おまえが泣くんだ。本当にそれで終わりなのか」
「ううん。終わりじゃない。それってね、ある人間の前世の記憶なんだよ」
「ファンタジーかSF映画だったのか」
「オムニバス映画みたいなものかな。同じ人物が、16世紀のカトリーヌ・ド・メディシス時代のフランスでの記憶なんかも持ってるんだ」
「話が飛ぶな」
「うん。だから、もうやめようか」
「話せ」
【next】