一つの闘いが終われば別の闘いが始まり、手に入れた束の間の平穏はすぐに新たな嵐によって蹴散らされてしまう。 打ち続く幾つもの闘いが、否応なく青銅聖闘士たちを戦場に駆り出し、闘いに勝利することで瞬の心は傷付けた。 それでも力を奮い起こし必死に敵に向かっていく瞬の姿は、瞬が闘いを厭うていればいるほど 壮絶に見え、瞬が敵を倒すために振るうチェーンは、瞬の代わりに泣き叫んでいるように聞こえる。 理想を諦めて闘いという現実を受け入れようともがく瞬の悲愴な決意に触れるたび、氷河は、瞬を救いたいと思い、救えない自分自身に打ちのめされた。 自分に向かってくる敵を倒す力はあるのに、瞬を救うことはできない。 王女アンドロメダに自由と希望を与えるペルセウスの力の正体は、いつまでも氷河には見えないままだった。 |