『生きていてくれ』
瞬にそう訴える氷河の方が、今にも命を失いそうなほどの苦しい闘いのただなかにある。
ハーデスの中で、瞬はなぜか急に笑い出したくなったのである。
実際に、瞬は笑った。
自分の死ですべてを片付けようと考えた己れの弱さを笑い、そして、笑いながら泣いた。
死ねないと思い、諦めるわけにはいかないと思った。
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