夢の賦






水底で何かが揺れている。
水面には小さな波があるのか、その姿はゆらゆらと霞み、はっきりした輪郭は捉えられない。
だが、それは何かに似ている。
記憶の糸を辿り、その末に、氷河はそれが 涙に潤んだ瞬の瞳のさまに酷似していることに気付いた。






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