国王の視察の予定当日、王の来訪が中止になった旨の知らせが 子供たち経由でシュンに もたらされた。

しかし、シュンはその知らせに落胆することはなかったのである。
その知らせを持ってきたのは、施設の院長職を更迭されて以来、隠遁同然の暮らしを強いられていた前院長だったから。
彼は、元の職に復帰するようにと記された国王の指示書と共に、その知らせを運んできたのである。
昨日までの院長は、横領の疑いで国の審議を受けることになったという話だった。






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