「人の恋路を邪魔する奴が嫌われて憎まれるのはわかるけど、俺たちは氷河に手を貸そうとしたんだぜ? なのに、この仕打ちはあんまりなんじゃないか?」
「まあ、こういうことは当人同士に任せておくべきことで、第三者は手出し口出しをするなということなんだろうな……」

闘い済んで夜が明けて。
アテナの聖闘士同士の壮烈な闘いのあと、星矢と紫龍は貴重な教訓を得ることになった。
アテナの画策が瞬たちにばれてしまうのはまずいと考えた沙織が、その強大な小宇宙で星矢と紫龍の負った怪我を完璧に癒してくれはしたのだが、仲間たちとの闘いで彼等の異様な強さを思い知らされた2人は、今後 何があっても瞬たちを敵にまわすことだけはすまいと決意したのである。

同時に、彼等は、
「瞬を狙う悪魔を無事に撃退できて本当によかったわ。やはり、邪悪には毅然とした態度で臨むのが いちばんね。我が身の保身だけを考えていたのでは、根本的な解決には至らないわ」
瞬や氷河たちに白々しくも分別顔で言ってのける沙織にだけは、決して逆らうまいとも思ったのだった。






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