――っていう手紙を拾ったわけよ。瞬の部屋のドアの下で。
なーんか、おまえんとこに持ってって、二人して頭を突き合わせて どうすべきかを話し合うにしても こっ恥ずかしすぎる内容だし、んなことしても不毛だし、かといって、PCメールみたいに添付ファイルにして送ることもできねーから、現物をおまえに回すことにした。
おまえの方が、俺よりはよっぽどマシな処置ができるだろうから、まあ、テキトーに何とかしてくれ。

つーか、瞬が突然、自分の部屋に引きこもりになったのって、氷河に襲われかけたからだったんだなー。
俺はてっきり、また『僕たちはどーして闘うの?』なーんて暗いことを考え始めたせいだと思ってたから、ちょっとばかり気が抜けちまったぜ。
正直、瞬に泣かれたくらいのことで途中でやめちまうくらいなら、最初から最後まで我慢してろって、氷河には言いたいとこだけど、恋にのぼせた男のすることは、俺には全くわからんわ。

しっかし、ほんとに手紙の最後に『俺の魂へ』なんて書く奴がいるんだなー。
あんなの、自分に酔った気取り屋のガイジンのポエマーだけが書くもんだと思ってたのにさ。
これにはまじでびっくりしたぜ、さすがの俺も。
うん、まあ、そういうわけで、あとは頼んだぜ、紫龍。


いつもいつも『星矢ならやってくれる』の一言で面倒事を押しつけられているかわいそうな天馬座の聖闘士より






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