MAMA NAVSEGDA
母の形見のノーザンクロスのロザリオ。
それを綺麗だと言うナターシャに 亡き母のことを語ったのが、そもそもの間違いだった。
美しく、優しく、命をかけて我が子を守ってくれる人。
誰よりも我が子を愛し、その愛ゆえに永遠に忘れ難い、母という人。
「ナターシャのマーマはどこ?」
ナターシャが そう問うてくる可能性に、なぜ思い至らなかったのか。
氷河は、自身の迂闊に 臍を噛んだ。
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