私は高校1年から大学4年までの9年間、近所の学習塾でバイトをしていました。
(なぜ7年間じゃないんだというツッコミ禁止。)
そのため、当時はもちろん、いまでも地元を歩くと当時の生徒やその父兄から挨拶されます。
とてもじゃないですが、地元で悪いことなどできません。
あれは大学1年の秋だったでしょうか。
地元のコンビニで「ビッグコミックスピリッツ」を立ち読みしていたところ、小学生の女の子たちが5、6人、通りかかりました。
学校からの帰宅途中でしょう。
どの子も塾の生徒たちで、見知った顔ばかりです。
彼女たちは店のガラス越しに私を見つけると、店内に駆け込んできました。
「せんせー!」
「おう」
元気で無邪気でかわいいもんです。
バイト講師とはいえ、子供たちからなつかれて悪い気はしません。
私は雑誌から視線を外し、彼女たち顔を向け・・・
「エッチな本よんでるー!!」
ちがうんだ、店員さん。ちがうんだ、他のお客さん。
私が読んでるのは普通の漫画雑誌でそりゃちょっとはエッチなシーンもあるけどエロ本とは程遠いっていうかそんな目で俺をみるなあああぁぁぁぁーっ!!(滝涙)
そんな私の心の叫びも知らず、無慈悲な彼女たちは私から「スピリッツ」を取り上げ、皆でめくり始めました。
「チェックチェックー」
・・・・・・
「んー、あんまりエッチじゃないねー」
・・・・・・
「そうだね。これなら合格かな」
・・・・・
「あっ、もうこんな時間だよ。」
一通り見て満足した彼女たちは、店の外に駆けて行きました。
「それじゃせんせー、また夜になったらねー」
ちがうんだ、店員さん。ちがうんだ、他のお客さん。
私は先生っていっても塾の先生で生徒達は普通夜に来るのだしそれに小学生の部は夜7時までっていうかそんな目で俺をみるなあああぁぁぁぁーっ!!(滝涙)
私が再びそのコンビニに足を踏み入れたのはそれから4年後、社会人1年目のことでした。
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