2月の焚木(全)       △戻る  ▲TOP

  02/02/26(火)   <お知らせ>

急で申し訳ございませんが、

3月4日(月)夜まで、当サイトの更新を一時停止させて頂きます。

仕事上でかなり深刻な問題が発生しており、単に時間が厳しいだけでなく、自分の持てる力を全て仕事に振り向けないと乗り切れそうにありません。

今、無理に更新に力を割くと、仕事の上で取り返しのつかない事になりかねないので、思い切って更新を一時停止することに致しました。

来週になれば、どのような形であれ決着すると思いますので、3/4(月)夜には更新し、皆様に状況をご報告しようと思います。

*なお、更新停止中も、掲示板とメールのチェックは行っております。


今までも更新ペースが低かったのに、2/22から数えると約十日間の休止。
本当に、ごめんなさい。

見捨てないで下さいとは到底言えませんが、もし再開後もお越し頂ければ幸いです。


  02/02/22(金)   泪橋

またも更新間隔が空いてしまいました。
色々な意味で、ごめんなさい。

相変わらず終電まで残業したり、秋葉原でエロゲを買って部屋の隅に積み上げたり、会社に泊まり込んで仕事したり、秋葉原でエロ同人誌を買って部屋の隅に積み上げたり、トラブルを出してお客様にお詫びをしたり、秋葉原でエロ同人ソフトを買って部屋の隅に積み上げたりと、万年過労状態で日々を過ごしています。(「過労の原因は仕事のしすぎではないと思います。」とか言ってはいけません。)



その日も終電まで仕事でした。

都内ですと、終電でもかなりの人が乗ってきます。
とある地下鉄の下り最終電車で席を取り損ねた私は、吊革につかまってぼんやりと揺られていたのですが、それまで大人しく隣の吊革につかまっていた四十代くらいの酔っ払いが、急に大きな声で歌い始めました。


「♪サァンドォ〜バァッグゥにぃ〜」


ああ、「あしたのジョー」か・・・

「あしたのジョー」については説明するまでもないと思いますが、寺山修司作詞のテレビアニメ版主題歌を聞いたことがない方は多いかもしれません。

私はちょうど小学生の頃にテレビアニメ版を見ていたので、今でも良く覚えています。


「♪たたけ、たたけ、たたけ〜」


酔っ払いは、情感たっぷりに、けれど何処となく悲しげに歌い続けます。
仕事で何かあったのか、日々に鬱屈しているのか・・・


「♪あしたは〜き〜っと〜な、に、か、あ、る〜」


じっと聞き惚れている人が居る一方で、主に若い人達が迷惑そうに顔をしかめています。
私も若い頃は酔っ払いの放歌など迷惑なだけと思っていましたが、最近では少しだけ「わかってきてしまった」ので、しんみりとした気持ちで聞き入りました。

まあ、この酔っ払いがなかなか美声だったからこそ、ではありますが。


「♪あしたは・・・どっちだ・・・」


最後まで歌い終えた酔っ払いは、再び大人しくなりました。

あしたはどっちだ、か。
まあね。色々あるけど、また明日も頑張りましょう、お互いにさ。

私はそっと溜め息をつくと、心の中で酔っ払いにエールを送りました。


「あしたはどっちなんでしょうねぇ」


本当にね・・・ってはい!?

はっと気がつくと、酔っ払いが私の顔をじっと覗き込んでいました。

え?え?もしかして私?私に聞いてるの?
待て、ちょっと待て(汗)


「私のあした、どこにあるか知りませんか?」


知るかこの腐れ酔っ払いオヤジ、って何を知らん振りしているんだ他の乗客ども、さっきまで迷惑そうな顔をしてたり聞き惚れていたりしたくせ、うわっ!?顔を近づけるな酒臭


「ねえ、貴方ならご存知でしょう?私のあした。」


なぜ。
ううう、困った。えーっと、えーっと。


「この地下鉄の登り電車に乗ると見つかるんじゃないでしょうか。」

「・・・なんで?」

(「なんで」じゃねえ)だって、これは下り電車で西へ向かっているでしょう?だから、登りの電車は東に向かっているわけで、明日があるのは太陽が昇る東でしょう。ね?」

「なるほど。」


ふう、納得してくれたか。
おっと、@@駅についたな。自宅の最寄駅はこの次だ。これ以上絡まれないうちに


「それじゃあ、登りに乗るとしよう。」

「え?」


私達の乗った下り最終電車が@@駅のホームに滑り込みドアが開くと、酔っ払いは千鳥足で下り、ホーム反対側に立って登り電車を待ち始めました。


プシューッ


呆然としている私の目の前でドアが閉まり、下り最終電車は酔っ払いをホームに残して再び走り出しました。
登り電車を待ってホームに佇む酔っ払いの姿がどんどん小さくなって行きます。

下り最終電車が私を乗せて@@駅を離れる直前、ホームにぶら下がる電光掲示板の文字が私の目にちらりと映りました。





<本日の登り電車は全て終了しました>





来るはずのない登り電車を待ちつづける酔っ払いが「あした」を見つけることが出来たかどうか。私にはただ祈ることしか出来ませんでした。

・・・わ、私のせいじゃないですよね?



明けて翌朝。
昨日のことが気になっていた私は、朝の通勤電車が@@駅に着いたとき、電車の窓からホームを見てみました。

なんとなく、あの酔っ払いが佇みつづけているような気がして。










ホームの真中に花束が置かれていました。










・・・わ、私のせいじゃないですよね?



・・・ね?


  02/02/18(月)   夫婦相和し

先日、会社の後輩Y君の結婚披露宴に招待され、先輩社員の一人として出席してきました。

Y君は、かつて私が所属していた部署の後輩で、新人のころ私が教育担当をしていたこともあり、わざわざ結婚披露宴に招待してくれたのです。
私が部署を移ってから五年は経ちますし、クラブ等で頻繁な交流があったわけでもないので、まさか招待されるとは思っていませんでしたから、これは嬉しい驚きでした。

新郎のY君は30歳、仕事は積極的にこなしますが、温和な人当たりのよい性格。
新婦のSさんは28歳の保母さんで、Y君とは大学時代からの付き合いとのこと。

ふたりに近い筋の人に聞いた話では、Sさんも温和な人当たりのよい性格で、傍目にも仲睦まじいカップルだそうですが、確かに結婚式ということを差し引いても実に仲の良い二人でした。



・・・・・妬んでなんかいませんよ?



もちろん、幸せそうな二人を見ていて羨ましくないと言えば嘘になりますが、結婚して夫婦になるということは社会的な位置づけをされるということでもありますから、恋人時代とは異なる苦労も待っているはずです。
Sさんは結婚後もお仕事を続けられるそうですから尚更でしょう。

色々とあるだろうけれど、二人で乗り越え末永く幸せに。
在り来たりですが、素直にそう思います。

いや、私は結婚したことがないのでよく分かりませんが。



肝心の結婚披露宴ですが、ふたりの人柄を反映してか、Y君の大学時代の同窓生達による芸が多少派手だったのを除けば終始穏やかな雰囲気でした。
私も腹のボタンが飛んだりすることもなく、無事に披露宴は終了。

むう、せっかく「本日の焚木」向けのネタを期待していたのに(こら)



さて、終わったのは良いのですが、新郎、新婦とその両親が会場の出入口に立ち、招待客に挨拶しながら見送るので、なかなか外に出られません。
10分ほど経って、やっと私の番が回ってきました。

いい加減つかれていましたが、そこは先輩社員の意地にかけ、精一杯の威厳をもってご挨拶。

「今日はおめでとう、Y君。なかなか立派だったよ。」

「ありがとうございます、溝口さん。」

緊張しつつも幸せそうな笑みを浮かべたY君が、隣の新婦、Sさんに私を紹介してくれました。

「この人が溝口さん。」

Y君にそう言われたSさんが、驚いたように表情で私を見ました。

「あ・・・Yが新人の頃に教育担当をして下さった・・・・・」

おっとと、そんな事も奥さんに話してくれていたのか、Y君。

いや、照れちゃうね。




透けたブラウスを見て鼻血を吹いた先輩の方ですね。」








帰りの電車では、Y君と同じ部署の後輩K君と一緒でした。

「K君、うちの部署と君の部署が合同で行う@@プロジェクトがあるじゃない。」

「あ、はい。Y君が担当していて、3月頭から着手予定の。」

「あれ、うちの部署では来週から着手するから。」

「えっ!?でも、そうするとY君のスケジュールがきつくなりますよ。」

「そうだね。新婚旅行から帰ってきた途端に残業続きになるだろうね。」

「・・・・・・・・・・。」

「でも、彼の更なる成長の為にも、是非!!必要な事だとは思わないか!?」

「・・・・・・・・・・。」

「ふ、ふふふ、ふふふふふ、ふはははははは、
あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ(;_;)

「・・・・・・・・・・。」








・・・・・妬んでなんかいませんよ?



ふ、ふふふ、ふふふふふ、ふはははははは、
あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ(;_;)








ははは・・・は(涙)





20万ヒット到達しました!

相変わらず更新頻度が低く(二月に入ってから5回しか更新していないという事実に愕然としています)、レスポンスも悪い当サイトに足をお運び頂いた全てのお客様に感謝いたします。

本当は記念企画の一つも実施したいところですが、それも難しい状態です。
どうかご容赦ください。



  02/02/14(木)   最後の審判

最近、「午前3時更新」とか「風邪気味」とか書いていたせいか、励ましや身体を気遣うメールを何通も頂いており、ありがたくも恐縮しております。

まだちょっと風邪気味ですが、引越しが片付いたせいか気持ちの上では余裕が出てきました。

久しぶりに、一日間が空いただけで更新できましたし、何とか体勢を立て直せそうな感じです。

残業続きは相変わらずですが、私だけでなく同僚の半数近くが毎日残業状態なので、みんなで楽しく賑やかに終電まで仕事をしています。それはそれで問題のような気もしますが。



さて、今日はバレンタインデーでしたね。

溝口の戦果ですが、予想通り、社内の義理チョコひとつでした。

・・・外れても良いのですよ?神様。


そして、これまた予想通りではあったものの、私の部署の独身女性社員が一人残らず定時の17時で帰って行ったのには思わず苦笑させられてしまいました。

ここまで張り切っているのを見ると、もはや妬む気にもなれません。頑張って欲しいものです。


さらに18時くらいになると、彼女の居そうな独身男性社員たち、既婚の社員たちも、いそいそと帰って行きました。

あらら、課長まで。奥さんが待っているのかな?

みんな微笑ましいなあ。












今日の残業は私一人でした。



おやすみなさい(目を真っ赤に腫らしながら)



  02/02/12(火)   赤頭巾ちゃん気をつけて

しばらく前、秋葉原にエロゲを仕入れに行ったときのことです。
JR秋葉原駅の近くで、60代くらいのお爺さんに声をかけられました。

「すみません、ちょっと教えて頂きたいのですが。」

「あ、はい、どうぞ。」

私はよくお年寄りに道をきかれます。
よほど人の良さそうな顔をしているのか、丸い顔と身体が安心感を与えるのか知りませんが、他に大勢人が居るときでも、何故か私にきいてくることが多いのです。

このお爺さんもきっと道をききたいのでしょう。

まあ、秋葉原はソフマップだけでも17ヶ店もあるし、初めてきた人には辛いものがあるかもしれません。ましてお年寄りなら尚更です。

「ぷちこのお店はどこでしょうか。」

「ああ、それでしたら・・・」










いま、なんと。

ぷちこのお店ってあれですか。やっぱりあれですか。そうですか。

私のような三十路半ばにしてエロゲ買ってるおっさんが屯しているだけでも本当にこれで良いのかと自問自答してしまうのに、こんなお爺さんまでもが萌えグッズを買いに秋葉原まで来襲するご時世ですか。ついに日本もここまで来ましたか。

しかも、でじこではなくぷちこですか。

こんなお爺さんがケーブルテレビのアニメチャンネルに齧り付いて「ぷちこー、ぷちこー」とか言っているのですか。世も末ですか。

「ぷちこー、ぷちこー」

そうそう、ぷちこー、ぷちこー・・・あれっ?


目線を下に向けると、ようやく小学校に上がるか上がらないかといった感じの女の子がお爺さんの足にしがみついて「ぷちこー、ぷちこー」とおねだりしていました。

「ああ、ちょっと待ってな。」

お爺さんが、困ったような、それでいて優しい笑みを浮かべ、女の子の頭に手をやります。


そうでしたか、お孫さんにせがまれて「ぷちこのお店」にやって来たのですね。
ああ、びっくりした。

じゃあ、案内しますよ。
いえいえ、ご遠慮なさらず。ちょうど私も 寄って行くつもり その方角に向かうつもりでしたし。



そんなわけで、お爺さんと孫の女の子を「ぷちこのお店」こと「ゲーマーズ」に案内しました。

いや、こんな小さい女の子をあそこに連れて行くのはそれはそれで危険のような気もするのですが、三十路半ばのおっさんよりは数千倍、ぷちこにふさわしいお客ですし。

歩きつかれた女の子はお爺さんに抱っこしてもらい、物珍しそうに電気街を見渡しています。

途中、大通りの一角で展覧会が催されており、コンパニオンのお姉さんたちが声を張り上げパンフレットを配っていました。

「入場無料でーす!是非お立ちより下さーい!」


すると女の子、お爺さんに向かって聞きました。

「ゆーじょーむりょー?」



大丈夫。
君が大きくなる頃も、友情は金では買えないものだよ、きっと。





でも、地位か金があれば一時的に買えないことも(以下略)


さらに、愛情だって地位か金があれば一時的に(以下略) だから、おじょうちゃんが大きくなったら(以下略)





「相互リンクの申し込みをしましたがお返事が来ません。断られたということでしょうか。」(大意)というメールを頂きました。

申し訳ございません。お返事が死ぬほど遅れているだけです(冷汗)

どうか気長にお待ち頂きたく。・・・さすがにお待たせしすぎですが。ごめんなさい。


  02/02/08(金)   日本経済 危機の深層

そろそろバレンタインデーです。
三十年以上も非モテをやっている私ですが、実はここ二十年、義理チョコであれば貰えなかった年はありません。

と書くと、「どうせ妹さんからでしょう。」と言われそうですね。






その通りだよ(泣)

と書いたら書いたで、実妹萌えの方に「羨ましい」とか言われそうですが、キットカットを包装も無しでもらっても。(包装してあったらそれはそれで嫌ですが。)

その妹も、お嫁に行ってしまいました。

さすがにもう「よこせ」とは言えませんし、お互い年齢が年齢ですから兄妹で義理チョコのやり取りも寒いものがあるので、今年からは貰わないことにしました。

では、溝口も今年はついに「チョコ0個」か?


白状しますと、妹以外からも毎年最低一個は義理チョコを貰っています。

高校から大学にかけては、バイト先の塾の生徒から毎年幾つか義理チョコを貰っていました。(この頃の逸話はまた別途ご紹介。)
社会人になってからも、私の会社では、バレンタインデーには女性社員たちが合同で男性社員たちに義理チョコを配り、ホワイトデーには男性社員たちが合同で女性社員たちにお返しをするという慣習があるので、毎年一個は義理チョコを貰えるのです。

他所の会社でもこうした慣習があるのかどうか知りませんが、我社の場合は三分の一以上が女性社員で各自の金銭的負担が軽いせいか、比較的抵抗無く行われているようです。
たまに廃止論も浮上しますが、なんだかんだ言っても続いているのは、やはりみんなバレンタインデー、ホワイトデーに何も貰えなかったら嫌だからなのかもしれません。

この慣習、マスコミの影響かなんかで自然に定着したものなんだろうな、と入社当時は思っていたのですが、なんと、現社長が十五年ほど前に自分の部署で始めたものだそうです。


「・・・と噂には聞いているんですが、本当ですか?」

数年前にあった若手社員と首脳陣の懇親会の席。
ほどよく酒が入った頃を見計らい、私は思い切って社長に聞いてみました。

「ああ、そうみたいだよ。別に確かめたわけじゃないけど、私が自分の部署で始めて、そのうち社全体に広まったらしいんだ。」

「失礼ですが、社長くらいの年代の方でしたら、バレンタインデーなんて気にしないと思うのですが、どうしてまた。」

「ん、実はな、そのころ娘に彼氏が出来て。」

「・・・は?」

(遠い目をしながら)私に・・・チョコをくれなくなってしまったんだ。」

「・・・・・・・・・・。」

「だから、その悲しみを紛らわす為に考えたんだ。娘の代わりに若い子からチョコを貰うにはどうしたらよいか、と。」





こんな社長の指揮の下、今日も社畜として残業に勤しんでおります。



日本経済の夜明けは遠い。





アクセス解析を見てみたら、どこかで見たようなURLがずらずらと・・・。

家元様、リンクをありがとうございました。

トップで予告を出して頂いていたのは知っていたのですが、こんなに早く貼って頂けるとは(汗

その昔、私は家元様のところで行われていた読者参加型企画に投稿していた経歴があり、その時の「表現する喜び」が当サイト開設の一つのきっかけになったので、家元様のところには早くリンクを貼らねばと常々思っていたのですが、もたもたしているうちに先に貼って頂く結果となってしまいました。

できるだけ早く貼り返しますので、宜しくお願い致します。



  02/02/05(火)   高齢化問題 その傾向と対策

お久しぶりです。
またしても大勢の方に無駄足を踏ませてしまいました。
励ましのメールや健康を気遣う書き込み、ご批判のメールなども頂いてしまっており、誠に申し訳ございません。

仕事に加え、引っ越し作業がピークに達していた為、ネットに繋ぐ時間すらまともに取れなかったのですが、さすがにこの更新状態では「見捨てないで下さい」とは言えませんね(嘆息)
まだ事後処理が残っていますが、新居への荷物の移動は完了しましたので、なんとか今週からは週3回更新ペースにまで戻し、体制を立て直したいと思います。



さて、忘年会・新年会のシーズンも過ぎましたが、皆様の会社や学校では如何でしたでしょうか。
最近は不況の影響で、どちらか一方のみだったり、あるいはどちらもしなかったりという例が多いようですが、私の所属する課でも今年は新年会のみでした。

今年は私が幹事筆頭だったのですが、お得意様である某大手金融機関が都内に持っている社員用の宴会施設を、我社のような外部協力会社にも利用させてくれるというので、そこを借りてみることにしました。
そこで、幹事揃ってその宴会施設へ下見に出かけたのですが・・・。

りょ、料亭?

さすがは日本有数の大手金融機関。
宴会施設といっても設備、従業員の接客、料理、全てが料亭並み。しかもお値段は居酒屋並だというのですから。

幹事全員一致でここに決定。
夜間宴会コースの利用申請書を頂いてきました。

これは、外部協力会社が利用するときだけでなく、某大手金融機関の従業員が利用するときも提出を義務付けられているもので、利用日時やコースの他に、利用者一覧も書かねばなりません。

こんな感じです。


氏名   所属 性別 年齢 住所
           
           
           


利用申請書を頂いたときは、上記項目のうち「氏名」「所属」だけ埋めてくれれば良いと言われており、その通りに埋めてファクスで申し込んだのですが、宴会前日の夜に電話がかかってきて残りの項目も埋めて欲しいと言われました。

おいおい、みんなもう帰っちゃったよ。
「性別」はともかく、「年齢」「住所」なんて直接聞かないとわからない人も多いし。困ったな。

「ああ、大体で結構ですよ。「年齢」については子供か大人かお年寄りかが分かれば十分ですし。」

子供にお年寄り・・・ですか。

「当社の従業員の場合、ご家族で利用される場合もありますから。もっとも、御社のような外部協力会社の方はご家族でご利用にはなれませんが。」

だったらわざわざ書かせるなよ。
まあいいや、みんな区切りの良い歳に切り上げて統一しておこう。
えーと、後は住所か。

「住所は参考程度ですから関東在住といったレベルで結構です。」

おい。
ま、まあ楽だから良いか。全員「関東在住」、と。

できた。

課の参加者は総勢30人弱。
そのうち私のチームのメンバーについて抜き出せば、こんな感じになります。


氏名   所属 性別 年齢 住所
後輩Aさん   XX社△△部 30 関東在住
後輩Wさん   XX社△△部 30 関東在住
先輩Kさん   XX社△△部 40 関東在住
後輩S君   XX社△△部 30 間東在住
溝口五位   XX社△△部 40  関東在住
新人Mさん   XX社△△部 30  関東在住


・・・みんな「年齢」欄を見たら怒るだろうなぁ。特に女性陣は。切り上げだもんねぇ(苦笑)
誰かに見つからないうちにファクスして、原本はカバンにしまっちまおう。

私はファクスが先方に届いたことを確認し、その日は帰宅しました。持ちかえりの仕事を持って(血涙)


明けて翌日、仕事が終わった午後6時。
会社の前に集合した課のメンバー30人弱を引きつれて、私は宴会施設に向かいました。

「いらっしゃいませ。」

「本日予約している××社の者ですが。」

「はい、伺っております。場所は二階の「@@の間」をご用意しておりますが、まずはこちらで受付をお願い致します。」

そう言うと、受付の方は私がファクスで送った利用申込書を机の上に出しました。私のほうに向けて。

「利用者一覧の「名前」欄の隣の空欄に、各自ご自分でチェックをして下さい。」

「か、各自が自分で、ですか?」

「はい。」

私は改めて利用者一覧を見ました。


氏名   所属 性別 年齢 住所
後輩Aさん   XX社△△部 30 関東在住
後輩Wさん   XX社△△部 30 関東在住
先輩Kさん   XX社△△部 40 関東在住
後輩S君   XX社△△部 30 間東在住
溝口五位   XX社△△部 40 関東在住
新人Mさん   XX社△△部 30 関東在住


「氏名」欄の隣ってチェック欄だったのか。

「わ、私が全員分チェックでは不味いですか?」

「申し訳ございませんが、規則ですから。」

・・・・・・。

・・・・・・チェックするとき見えちゃうよね、「年齢」欄。

・・・・・・参加者30人全員に見られちゃうわけだよね、「年齢」欄。

・・・・・・課長なんか41歳なのに「50」とか書いちゃったんだよね、「年齢」欄。

「あの、お客さま?」

「溝口さん?」

「何を固まってるんだ、溝口?」

「どうしたの、溝口くん?」

ど、どうしたのっ、て・・・








どうしましょう?



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