木曜日、午後6時半。
都内某所にある△△寿司の前に、私はやって来ました。
カウンターの他に机の席も幾つかあるこの寿司屋は、そこそこの値段で美味しい寿司が食べられるので、ちょっと贅沢をしたいときに利用しています。
最初に来たのは会社に入って間も無い頃で、誰かに連れて来てもらったと思うのですが、いったい誰だったか・・・最近年をとったせいかちょっと思い出せません(汗
「おっ、来た来た。」
店の前では、諸悪の根源、同期Aが既に待っていました。
同期Aの奥さんで、会社の後輩だった元女性社員、Fさんも一緒です。
「うす。久しぶり、Fさん。」
「今日は宜しくな、溝口五位さん。」
「お久しぶりです。色々と聞かせてくださいね、溝口五位さん。」
「ハンドル名で呼ぶのは止めろおおおおおおおおおおっ(泣)」
くそうっ、Fさんはともかく、同期Aはいつか必ず酷い目にあわせてやる(涙)
実を言うと、サイトバレ直後はともかく、この段階では腹をくくっていました。
もともと付き合いの長い同期たちには私がオタだというのは薄々バレていましたし、同期Aが悪意を持っていたらとっくに会社中にバラされていたでしょう。
Fさんにしても、会社にいた当時を思い出す限りでは口の堅い人でしたし、もし嫌悪感を持ったとしたら私に会おうなどと思いはしないはずです。
まあ、散々からかわれ、根掘り葉掘り聞かれるのはまず間違いありませんが、そこはゲーム性・シナリオ重視なエロゲ好きのおっさんで通すよりほかありません。
・・・炎多留について聞かれたら、どうしよっかな(涙)
「さて、入ろうか。」
「そうだな。」
先頭を切って店に入ろうとした私は、ふと立ち止まり、同期A夫婦の方に向き直りました。
「ひとつ確認しておきたいのだが・・・」
「うん?」
「中で他の同期が待っていたりしないだろうな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・まさか(明後日の方向を向きながら)」
「帰るっ!!(泣)」
「すまんすまん、呼んでなんかいないって(汗」
まったくこいつは・・・と憤慨しつつ、私は△△寿司の扉をくぐりました。
「同期は、ね。」
・・・・・・・・・・。
ちょちょちょちょっと待てえええぇぇぇっ(泣)
にににににに逃げなきゃ・・・
ああっ!?既に入り口は同期A夫婦に塞がれているっ!
「いらっしゃい!」
「お店の方もああおっしゃってますよ、溝口さん。」
「ほらほら、駄目じゃないか、お店の入り口で突っ立ってちゃ。」
ひいいいいいいいいっ、止めてっ、許してえええええぇぇぇぇぇっ!!(泣)
・・・・・・・・・あれ?
見知った顔、なし。
「あはは、冗談だよ、冗談。本当に誰も呼んでないって。」
お前という奴はっ、お前という奴はっ、お前という奴はっ!!(泣怒)
店の奥の席を陣取った私達は、寿司をつまみながら歓談。
すっかり忘れかけていましたが、まずは同期Aの昇進のお祝い。
そして、話はすぐに「もっと焚木を!」へと移りました(涙)。
ご多分に漏れず、二人とも「侍魂」をまず知り、そこのリンクからあちこちへ飛び、最終的に「兄貴の館」経由で「もっと焚木を!」へと辿りついたとのこと。
「まさかお前が「痛い系」サイトを開くなんて夢にも思わなかったよ。」
「ネタ系だ。痛い系じゃないって。」
「その年になってから始めた時点で痛いってーの。」
「ぐはっ!?」
「でも、「雪の夜」はよかったですよー。」
「そ、そう?あんがと(^^;;;;;;;;;;」
こんなこともあろうかとUPしておいた当サイト唯一のまじめなお話が功を奏したようで、なんだかんだいって二人とも好意的に見てくれていました。
「そういえば、最近立ちが悪いって? エロゲやりすぎで腎虚じゃないのか?」
「あ、それから溝口さん、ロリコンなんですか? それとも実はホモとか・・・だから結婚しないとか・・・。」
こ、好意的に・・・(泣)
そんなこんなで1時間もしたでしょうか。
話題は「侍魂」大ヒット以前の時代にも及び、「クリスマス死ね死ね団」、「痛いサイト選手権」などで盛りあがってきました。
というか、話題を「もっと焚木を!」以外に誘導。
よーしよし、このまま話題をそらして・・・。
「おお、やっぱり。さっきからどこかで聞いたような声だと思っていたら。」
「溝口君にA君。Fさんも一緒か。久しぶりだね。」
ぎょっと振りかえった私の目に飛び込んできたのは・・・
「専務!?それに・・・」
「部長も・・・お久しぶりです。」
「お、お二人とも何故ここに?」
「ここはよく来るんだよ。だいたい、君が新人のときに私が紹介したんじゃないか。この店。」
そ、そうでした。
うっわああああああああっ、なんてミス!
「ところでちらっと聞こえたんだけど、溝口君ってホームページ持ってるの?」
・・・・・・・・・・。
あっ、蝶々さん!蝶々さんが飛んでる!
うふっ、うふふっ、うふふふふふふふふふっ
(後編に続く)
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