<Part1はこちら(4/4)>
「やっと着いた。」
非常階段を下りて15階の防火扉に辿り着いた私は、ほっと一息つきました。
結局、なぜエレベーターで行けなかったのかは謎のままでしたが、それは後でU先輩かM崎さんに聞けば良いでしょう。
さて、第8会議室だったな、早く探して
ガチャッ
あれっ?
ガチャガチャガチャッ
おいおい、開かないぞ?
まさか非常階段側から防火扉は開けられないのか!?
私は慌てて14階まで下りると、防火扉のノブを回して・・・開くじゃないか。
13階はどうだ・・・やっぱり開くぞ。
私は再び15階の防火扉に戻ると、ノブを回し・・・開かない。
それほどまでに私が嫌いか、15階。
というか、本当にどうすりゃいいんだ。困ったなぁ。
仕方ない。1階に下りて受付の人に聞いてみるか。
カツーン、カツーン、カツーン
その時、非常階段の上の方から誰かが下りてくるような靴音が聞こえてきました。
誰だろう?
もしかして、17階で会った危ない中年男性かな。
・・・・・。
開けてっ、開けてええええぇぇぇぇっ!!(泣)
ガチャガチャガチャガチャガチャガチンッ!!
開いた!?
神に祈りが通じたか、あれほど私を拒んでいた15階防火扉の鍵が、いきなり外れました。
単に回しすぎて壊しただけのような気もしますが、とりあえず神の奇跡ということにし
カツーン、カツーン、カツーン
ひいいいいいいいいいいいっ
私は急いで防火扉を開けると、15階へ飛び込みました。
と、とにかく第8会議室へ行こう、第8会議室・・・。
「な、なんだ、ここは?」
落ち着いて周囲に目を向けた私は、思わず絶句しました。
磨き上げられた大理石の壁、廊下に敷き詰められた高価な絨毯、品のよい飾り付けがされた美しい照明、さりげなく飾られている名画の複製。
「ええと、ここは@@銀行本店のはず、だよな。」
@@銀行本店は確かに大きなビルですが、詰まるところオフィスビルですから、構造は機能的でも内装は素っ気無い作りになっています。
少なくとも、1階と17階、エレベーターなど、今まで通った所はそうでした。
ところが、15階は・・・
「こ、高級ホテル?」
何がどうなっているのか全く理解できず、高級ホテルを思わせる豪華極まりない廊下の片隅でぼんやりと立ち尽くしていたら、近くの角から@@銀行の制服を着た二人の女性が現れました。
あ、やっぱりここは@@銀行か。
よかった、あの人たちに第8会議室の場所を聞こう。
「すみません。」
私が声をかけると、二人の女性は驚いたように振り向きうおっ、美人( ̄▽ ̄)
一人は二十代後半、もう一人は三十代前半といったところでしょうか。
どちらの方も実に品の良い女性で、スタイルも抜群。
制服が映える、映える。
うーん、目の保養いや、発情している場合じゃなくて( ̄▽ ̄;
早く聞かないと、って、あれっ?
私が第8会議室について聞こうと一歩前に出ると、年下の女性が素早く近くの部屋へと入っていきました。まるで私から逃げるように。
それを確認すると、年長の女性がにこやかに声をかけてきました。
「何かご用ですか?」
「あ、はい。打ち合わせで第8会議室に行きたいのですが。」
「第8会議室?・・・あの、失礼ですが、どちらからこのフロアに入って来られたのでしょうか。」
「ええと、そこの非常階段からですが。」
「・・・少々お待ち頂けますか。」
もしかして警戒されている?
ガチャッ
なんとなく嫌な雰囲気を感じ始めた途端、先ほど年下の女性が入っていった部屋から二人の男性が出てきました。
・・・・・・・・・・。
@@銀行のバッチを付けているから、銀行員さんなのだとは思いますが。
あ、あの、もしかして元プロレスラーとか元力士の方でしょうか。
背広の上からでも分かるくらいに筋骨隆々で。
あ、あの、もしかして私に敵意を持っていらっしゃるのでしょうか。
物凄い目で睨まれてるような気がするのですけど。
あ、あの、年長の女性がマッチョマン二人に何やら目配せをしたように思えるのですが、あの、その、じりじりと間を詰めて来られても困ってしまうといいますか、あの、その、ねえ、ちょっとそんな恐い顔で近づかないで下さい、あの、その、ええと、ひいいっ
「どうかしたのかね。」
例の危ない中年男性が待ち構えているかもしれないけれど、この場は非常階段へ逃げた方がマシなんじゃないだろうか。
身の危険を感じた私がそう考え始めたとき、廊下の中ほどの部屋から初老の男性が現れ、声をかけてきました。
穏やかな笑みを湛えているけれど、若造の私にもはっきりと分かるような威厳を持った老紳士で、その後ろには、私を取り囲んでいるのとは別のマッチョマン数名と、品の良い女性数名を引き連れています。
私を取り囲んでいたマッチョマン二人と年長の女性は、その老紳士の姿を認めると、驚いた顔で居住まいを正しました。
年長の女性が老紳士のもとに小走りで駆け寄り、何やら耳打ちしています。
私は少しだけ安心しました。
どうやらこの老紳士は偉い人のようですが、あまり厳しくはなさそうです。正直に話せば聞いてもらえるんじゃないか、そんな気がしました。
でも、この老紳士、何処かで見たような気がするな。
えーと、何処で見たんだっけ。
そうそう、確か@@銀行の正月ポスターで新年の挨拶を述べていたlだ B
・・・・・ B
@@銀行頭取!H
もしかして、ここって役員フロアか!I
ようやく、私は全てを理解しました B
マッチョマンはボディガード、品の良い女性は秘書の方々でしょう B
15階だけ高級ホテルのような内装なのも、役員フロアと考えれば納得が行きます B
15階にはエレベーターが止まらなかったのも、15階の防火扉に鍵がかかっていたのも、やはり役員フロアだからでしょう。きっと、特定のルートでしか入れないようにしているに違いありません B
警備を考えれば当然のことです B
・・・・・ B
ひょっとして、M崎さんに頂いた入館証では立ち入りできないエリアなんじゃないか?ここは B
つまり、私は・・ E
不法侵入メ(しかも防火扉の鍵を破壊j
・・・・・ B
いやあああああああああっ(泣 j
鉄格子付きの窓がある薄暗い部屋で刑事さんにカツ丼を奢ってもらうのはいやああああああああああっ(泣j
続ュ
<お詫び
シナリオライターが極度の寝不足状態にある為、Part1末尾での予告編と大きく内容が食い違っていることをお詫び致します。
なお、シナリオライターは「Part3の予告編も書くんだ!」と喚いておりましたが、このままではさらに訳の分からない予告になることが避けられないと判断。Part3の予告編は無しとさせて頂きます。ご了承下さい B
また五日間も空いてしまいました。本当にごめんなさい B
色々と反応したいこともあるのですが、どうにも時間がありません B
申し訳ございませんが、週末にまとめてなんとかBなるのかな(汗j
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