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骨髄移植メモ

初めてする人は、不安がいっぱいだと思います。自分もそうでした。 ここでは「自家末梢血幹細胞移植」と、同種骨髄移植というか 「同種末梢血幹細胞移植(ミニ移植)」について書いてみたいと思います。 人、状況にもよるので軽々しくするべき、しないほうがいいとはいえませんが 私の場合はこんなかんじでした、という報告です。

体験記というよりは、 もし移植することに決めた場合、自分の体験からよりよい過ごし方、 乗り切り方をなんとか考えてみたメモです。



自家末梢血幹細胞移植。自家移植

自分の幹細胞(造血細胞)を採取保存しておいて、強めの治療のあとに 点滴にて体内に戻します。自分の細胞なので、同種(他人のものを入れる)の移植と 違ってGVHDなどはいっさいありません。もちろんそれなりに感染その他の対策はしますが フルの同種移植ほどの徹底振りではないです。期間は早ければ、3週間くらいでしょうか。 私の場合は1ヶ月くらいだったような気がします。



すべきか、否か。自家移植

怖いイメージだけで、すぐやらない決断をするのはやめた方がいいと思います。 いろいろリスクの話しなどされると 腰が引ける場合も多いのですけどーー実際私もそうでしたし。 未知のこと+怖い、辛いイメージを想像で膨らませて、できれば したくないと思っていまう。他の人も同じようで、医者に薦められても まずはじめは断る人が多いようにみえます。

もちろんしたからって絶対再発がないとは言いません。 ただ、したことによってその後再発なく元気な人もたくさんいること、 私は何人もこの目で見てきています。 しなかったことを後悔している人も見てきています。 確かに、年齢による負担はかなりの違いがあるでしょうから、 一概に大丈夫とは言えません。 医師とよく話し合ってください。ただ、医師が薦めているけれど 怖い、辛そうだから後回しにしたいという考えは、 後から後悔する場合もある、ということです。

自家末梢血幹細胞移植(自家移植)は、他人のものを 体内に入れる同種の骨髄移植(や同種の末梢血幹細胞移植) とは、リスクに大きな差があることは認識して欲しいです。 GVHDなんかも全くありません。 それでもなんだか怖い、という漠然とした気持ちを持ってしまうのも わかるのですけどねー。



ひたすら前向きに捉えてみる


□化学治療は数ヶ月、何回も続くが、自家移植は1ヶ月前後で終了する。

□1人部屋に通常料金で入ることが出来る。

□看護師が専属的についてくれる。

□長時間おしゃべりに付き合ってくれる。

□看護師も、個室で少し休憩できる(笑)。「大変だよね、すいません。」 と言うと「他の担当より楽」というようなことを言っていました(建前か)。

□個人的に冷蔵庫や電話がつくととても便利。

□部屋から出ることが出来ないという大きな理由があるため、     買い物などいろいろ頼みやすい。

□GVHDは、全くない。



同種末梢血幹細胞移植(ミニ移植)




同種移植、3つの方法の選択


私が細かく話せるのは、同種の「末梢血幹細胞移植」で「ミニ移植」 のケースです。

いわゆる同種の骨髄移植には方法が3つあって ドナーさんから移植直前にいただいて移植する方法(同種骨髄移植)と、前もって幹細胞を 採取保存しておいて、後に点滴にて移植する方法(同種末梢血幹細胞移植)とさい帯血移植。 基本的には患者に選ぶ権利があるようでした。

最近までは骨髄移植が主流でしたが ドナーさんから前もって採取保存できることや (?の用語解説「幹細胞」参照)、 たとえ移植の日程が変わっても対応できる (ドナーが患者の状況に合わせなくても良い)というメリット があるということで、末梢血幹細胞移植もいま多くなってきているのではないでしょうか。

詳しいことは、国立がんセンターのホームページ 「骨髄移植」こちらをどうぞ。



すべきか、否か。同種移植

同種の移植に関しては、軽々しく判断出来ないのが辛いところです。 その人のそれまでの治療、体調状況、年齢、ドナーさんとの一致具合その他 いろいろなことが絡んでくるし、医師がよく言う台詞ですが「こればっかりは やってみないとわからない」。もちろん薬などで、ある程度GVHDはコントロール するんですけどね。GVHDも強く出る場合とそんなに出ない場合があり、 強く出すぎても困るけれど、病気に対しては出た方がいいという非常に微妙なところです。 とことん医師と話し合ったり、セカンドオピニオンなどできるだけの意見をきいてみてください。 それでも最終的に決めるのは自分です。

ただ、状況的にやらざるをえないという人はいると思います (もちろんしないという選択もできますけど)。 私は、逃げ出したくてしょうがなくて、決定するのがやや遅れてしまいました。 すべきことが遅れていくのは、自分の為にもよくないことはわかってはいるのですが、 いろいろ考えれば考えるほどふんぎりがつかなかったです。



白血球がゼロになった日

私はミニ移植でしたが、白血球の数は一時期ゼロになりました。 自家移植のときは、50くらいが底だったので、なんだか不思議な感じでしたね。 ゼロ?!ゼロでもこうして一見?普通にしていることってできるものなのだな、と。 その時点では特別何がどうという感じではなかったです。 その後口内炎がひどくはなりましたが(^^;)

フル移植ではかなり細かく厳しくチェックするようですが、 ミニ移植の場合は、箸もコップも普通に洗って使って良いみたいです。 でもこれは病院にもよると思います。 他の病院で自家移植をしたときは、滅菌物を多々使用し、 部屋に搬入する物は全て滅菌していたようでした。 病院が違うと方針も違うようです。 ミニ移植のときは特にそのようなことをしていなかったようなーー でも確かではありません。もし気になるようならば、 古本や汚れたものは避けたほうがいいかも しれません。でも、そこまで神経質になることもないとは思います。 私は普通に本やら何やら(忘れました)いろいろ入れていた記憶があります。

一般的ですが、したほうがいいことといえば。

1.最低1日1回は、身の回りを拭き掃除。ウエットティッシュを置いておくと すぐ拭けます。なるべくチリやホコリを取りましょう。

2.うがい手洗い。まずこれですね。熱がでる原因も口やのどの菌からが 多いようですから、白血球数低下時はひたすら、うがい。口→のどの順番を守って どうぞ(のど→口の順だと口の菌がのどへ侵入しますからね)。

白血球の数が足りてきたら、無菌室から個室に引越しです。



口内炎の時期を乗り切る

口内炎、私は普通?くらいだったのかもしれませんが、ひどい人や 軽めの人もいるようです。どちらに転ぶかはわかりませんけど、ひたすらうがいですね。 痛みを軽く麻痺させるうがい薬もあるようなので、それを使いながらうがいをしましょう。 ずっと続くわけでないから、一定の期間を乗り切るぞ!! 割り切る!!と気合を入れていくといいですね。 痛みのピークを過ぎるとみるみるうちによくなりますから、それを目指していきます。

口の中にいれているとやわらかくなってとけるような食べ物を、口にほおりこんで おくとなんとか食べることが出来ると思います。 あまり噛まなくても、やわらかくとけるようなもの。 私はこの時期、アイスクリームなんかも結構食べていたかもしれません。 痛いよーと言いつつ何か口に入れて食べていると、「なんか自分ってがんばっているな」 なんてずうずうしくも思うことができますよ(笑)。

それでも口内炎のピーク時には、自分をだましだまし食べることさえできない 数日間はあると思うので、割り切って数日だけ栄養点滴に頼るのもひとつの方法だと思います。 白血球が増えてきて、痛みが減ってきたらすぐ食べ始めることができるし、体重も減らないのでご安心を。 私は無菌室では口内炎のひどいときは、数日間しっかり栄養点滴のお世話になりました。

口をあけにくく、しかも痛いから歯磨きがしづらい状況&白血球が少ないので、 うがいはこまめにしっかりやってください。しつこいようですが、熱があがりやすい時期でもありますから。

そういえば入院中、精神的、肉体的痛みが好きな人間だったら 病気やその周辺に対して苦しみを感じないのだろうか、むしろ喜びなのだろうか、 などと知らないくせにいろいろ考えたものです。



無菌室と食

全て熱処理されている以外は、そんなに違いは無かったように思います。 あ、サラダなどが無かったですね。生野菜の料理は出ないし、果物は・・ すいません、忘れました(^^;)缶詰の果物を食べた記憶はあります。 食べ物、菓子は食べ切りで小分けの袋のものが良いです。アイスクリームは しっかり密閉されたカップアイスなどはよかったような。

これまでの経緯で自分で自覚していることですが、食べたくないときには どんな食事でも食べたくない。これなら食べたいというものがありませんでした。 それは変わらないことなので栄養士さんにも伝えていました。 栄養士さんは、食欲が無いときには食べたいものをリクエストして欲しい みたいです。リクエストがある方はここぞとばかりにどうぞ。 メニューに無いものも用意してくれるようです。 自分はこれなら食べられる、というのがあることはとても大切だと思うので、 模索してみてください!

食欲が無いときは、んーーー私としては、 ほんとに一時期と思って割り切って栄養点滴に頼るか、 ポカリスエットなどを飲んだりカロリーメイトを ちょこちょこ食べたりして少しのもので エネルギーを取る場合もあり(口から入れる)。 一時期は、味噌汁に御飯を入れて、がーっと無心でかきこんで 食事をした、ということにしていたこともありました。 「よし、エネルギーはとった」ということにしておく(笑)。 まあ、それさえも出来ないときもありますけどね。 ひどいときは、食べ物の匂いもうけつけないし 見たくもありませんから。全て拒否モード(−−;)

私の場合、全く食べられないほど無菌室で食欲は落ちませんでした。 でも栄養点滴を入れられていたために (医師が、食欲落ちると思って毎日点滴していた)逆に太ったくらいでした。 頼んで、点滴をやめてもらいました(笑)。

どちらかというと、口内炎時に痛くて物が食べにくかった印象があります。 ただこれは本当に人によるみたいです。口内炎に全く苦しまなかった人の話もききました。

私は、口内炎が辛いときは豆腐をひたすら食べていた気がします。後半飽きましたけど。 アイスクリームも何度か食べましたね。 冷たくて噛まずにつるつると、飲み込めるもの。 他にもあると思うので追求してみるといいのではないでしょうか。



歯磨き

口内炎時はなかなか磨けないと思います。磨けるところを軽く磨いて、磨けない分 口うがいをしっかりやるしかないですね。

入院中、歯科医に教えられた磨き方。 歯ブラシを鉛筆を持つように持つ。歯と歯茎の間に歯ブラシをあて、 歯と歯の隙間に歯ブラシを入れることを意識しながら手を小刻みに動かしていく。 力は入れず、本当に小刻みに動かしながら歯の表側、裏側を磨く。 奥歯は、しっかりぐるりと一周して裏まで磨く。

基本的に「歯磨き粉」は気分をすっきりさせるためのものなので、 水だけで磨いても良いようです。要はしっかり磨けているかどうか。 歯磨き粉をつけていても表面的にしか磨いていないようだと、 ただ気持ちの上ですっきりするだけで、磨けていることにはならない。 自分はすっきり感も求めるので、少し歯磨き粉はつけます(^^;)

洗面台の鏡を見ながらではなく、「小さな手鏡」を見ながら磨くと どこを磨いているか磨いていないか、嫌でも意識させられると思います。



<NEW!>大まかな流れ

私の場合はこんなかんじでした。

1 一次退院(移植前の休息?)

2 入院。2日くらい大部屋

3 化学治療開始の数日前から無菌室に入る

4 化学治療を数日間 (飲み薬&点滴→スミマセン、メモを取ったような、それがどこかへ いったような)

5 移植(点滴にて入れる)

6 無菌室は3週間くらい。白血球の数も足りてきて、個室へ

7 個室2〜3週間くらい

8 大部屋2〜3週間くらい、退院

私は結構退院が早めの方でしたが、移植後半年や1年入院しても 普通らしいです。早く退院しても、サイトメガロウィルスやGVHDなどで 通院点滴したり入院したりするので、あせらず気長に考えた方がいいかも しれません。もちろん誰でも、早く退院したい!という気持ちは 強いと思いますけど。



<NEW!>GVHD

宿主(自分)に対して移植片が異物とみなして攻撃をしてきます。 この症状も人それぞれのようで、強い人弱い人さまざまです。 その人にどのような症状が現れるかは、 移植してみないとわからないようです。

白血球の型が、一座不一致、二座不一致 (1つ、2つ型が違う)の方がやや強く出るようです。 成績としては、非血縁者の全一致と血縁者の一座不一致は 同じような感じとか。しかし、ひとくちに一座不一致といっても さまざまなケースがあるので、よく調べたり話を聞いたほうが いいと思います。

皮膚症状のいろいろや、下痢、肝臓障害などなど。 私の場合下痢は多少ありましたが、ひどい人に比べたらまだ いいほうだったようです。でも肝臓の方は、薬を投与されたり していましたね。「酒飲みの肝臓になっているぞ」と言われていました(^^;) 周りを見ると、人それぞれ強く出るところが本当に違うんだな と思わされます。

血液データでは、AST、ALT、γGT、ALP、IgG、リンパ球のパーセンテージが高かった です(これらの項目については後に説明を加える予定です)。 IgGとリンパ球に関しては、先生の方も理由がわからずいろいろきいてみたようですが、 まれに移植後値の高い人がいるということです。それで特に何か薬を使うということは 無かったと思います。他の値は、すぐに普通のラインまで戻るというわけでは ありませんが、時間がたてば徐々に下がってきます。

GVHD、強く出た場合は、それだけがん細胞をも攻撃してくれるパワーが強力!! 免疫力強い!!と思い込んでいきましょう。 その期待を込めた免疫療法でもあるわけですから。



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